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20年ぶりにゴッホの「夜のカフェテラス」が来日!神戸市立博物館で「大ゴッホ展」鑑賞レビュー

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目次

「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」@神戸市立博物館:私の鑑賞レビュー

はじめに

先日、神戸市中央区にある神戸市立博物館で開催中の「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」を鑑賞してきました。題材は、誰もが知る画家 フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)であり、オランダの名門美術館 クレラー=ミュラー美術館 所蔵の作品を中心に展示されています。美術手帖+3神戸市立博物館+3大ゴッホ展 公式サイト+3
本記事では、体験した混雑状況から、名画の圧倒的な存在感、展示構成、展覧会外のお楽しみまで、順を追ってレビューいたします。


神戸市立博物館 平日朝イチで、まあまあ空いているほうでした

1. 混雑状況:土日・平日共に人が多い

まず最初に、訪問前にぜひ知っておいてほしいのが「混雑の実態」です。

  • 土日・祝日は完全に行列必至。公式にも「土日祝は入場予約優先制」と明記されています。おでかけKOBE | 神戸市イベントサイト+1 可能であれば平日をおすすめします。
  • 平日でも「人が多い」印象を強く受けました。私が訪れた平日の午前9時半でも、館内入り口から入場‐展示室への導線に一定の待機列があり、ゆったり観賞というより「動きながら見る」感じでした。
  • チケットは、前売り券は完売しています。当日の窓口販売があります。紙のチケットで残らなくても良ければ、QRコードでのチケット販売であれば窓口に並ばずスムーズにチケットを購入できます。私は平日の朝に行って、チケット窓口に並んだ時間は15分ほどでした。予約状況等は不明ですので、今後土日に行く予定の方で、確実に行きたい方はぜひ問い合わせてから行った方が良いです。

神戸展サイト: https://www.ktv.jp/event/vangogh
【チケット・ご予約お問い合わせ先】
0570-08-9929(10:00~18:00) 受付対応期間 2025年6月1日(日曜)~2026年2月1日(日曜

  • 特に、メイン作品である 夜のカフェテラス(フォルム広場)に対しては“鑑賞に30分待ち”とも言える時間が発生しており、絵画の前に立っても「一瞬しか観れない」ような状況もありました。実際、私もその前に立つまでにかなり時間を要し、しかも前後の入れ替えが早いため、じっくり…というより“立ち止まって眺めてすぐ次へ”という流れになってしまいました。ちなみに、会場は撮影禁止ですが、「夜のカフェテラス」は一人1枚ずつ撮影OKです。絵画を観る、というより、前に立って、1枚写真撮ったらはい次の方~という流れです。ゆっくり鑑賞は困難でしたよ(-_-;)
  • ですので、「ゆったり時間をかけてじっくり」という方には、、開館直後か、閉館近く、あるいは平日の午前一番が比較的狙い目です。訪問タイミングを工夫することで体験の質が変わります。
  • 【夜のカフェテラスをゆっくり鑑賞するコツ】撮影後行列を抜けたら、少し戻って後ろから人の頭をかき分け鑑賞する、というのがポイントです。邪道ですが、2階第二会場に入ったらすぐ皆が他の絵画を鑑賞している間に少ない時を狙って「夜のカフェテラス」鑑賞列に並ぶことも可能です。

こうした混雑を前提に考えると、「行列・待ち時間・一瞬しか観れない」という点は、この記事で最初に共有しておきたい注意点です。


2. 名画の圧倒的な存在感:恍惚とした瞬間

さて、肝心の作品について。ゴッホの作品は、やはり“見る価値しかない”と心の底から感じました。特に「メインの名画」は、実物だからこその圧倒感があります。

  • 夜のカフェテラス:この作品を前にした瞬間、視線を奪われました。暗闇を思わせる夜空に、カフェの灯りが黄色く輝き、その対比が鮮烈。絵の前に立った時、「この色の厚み」「筆の勢い」「空気の揺らぎ」を肌で感じることができました。恍惚とした気分、という表現がふさわしいほどに。
  • その他の作品も同様で、画面を構成する色彩・筆致・構図が写真や印刷物では伝わりきらない“実物ならでは”の力を持っていました。まさに「すごい」としか言いようがない。油絵の迫力、筆のタッチ、すべてが素晴らしかったです。
  • 展覧会の構成を振り返ると、まずゴッホのオランダ時代からパリ時代、アルル時代へと変遷が明快に追えるようになっていて、制作背景・時代背景を理解しながら観賞できる仕掛けになっており、それが作品の深みをさらに増していました。大ゴッホ展 公式サイト+1

このように、作品そのものの存在感・迫力を体験できるという点で、訪れて「見る価値しかない」展覧会だと言い切れます。


3. ゴッホだけじゃない!ミレー、ルノワールなども展示あり

今回の展覧会、実はゴッホだけに焦点が当たっているわけではありません。これも大きな魅力のひとつです。

  • 展覧会紹介によると、ゴッホ作品の他に、同時代の印象派・後期印象派の画家たち──クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワールなどの油彩画も紹介されています。大ゴッホ展 公式サイト+1
  • 例えば、ミレーの作品もリストに見え、ゴッホという画家を単体で観るのではなく「その時代・流れ・影響」という文脈で捉えられる展示構成となっています。
  • これにより、「ゴッホだけを好き」という方も、「印象派・近代絵画を少しでも好き」という方も満足できる内容になっており、純粋に美術鑑賞の視野が広がります。

この点からも、「ただゴッホのタイトルに惹かれて」という動機でも十分に価値ある展覧会となっており、見る価値しかないと思います。


4. 夜のカフェテラス、初めて見たけどすごい。夜の暗さに一切“黒”は使われていない。おしゃれな夜の明かりが綺麗。

ここからは、この展示会のメイン作品である「夜のカフェテラス」にフォーカスして詳しく書きたいと思います。

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  • この作品(1888年)は、夜の屋外のカフェを描いたもので、夜間風景ながら画面の暗さが“黒によって塗りつぶされている”わけではありません。実際には濃い藍、緑、紫、深い青といった“夜の色”を背景に、カフェの黄色い光が浮かび上がります。公式サイトでも「青色の夜空と、カフェの黄色い灯りで、その鮮やかな対比を織りなす」旨が紹介されています。大ゴッホ展 公式サイト+1
  • 私はこの作品の明るい夜の雰囲気がだいすきです。夜という時間帯の空気感、そこに漂う人々の気配、光と影の間にある空気の揺らぎ。そういった“静けさと動き”が絵の中で混ざり合い、鑑賞者を別世界へ連れて行きます。
  • “夜”というテーマでありながら、暗さの中に希望のような黄色い明かりがあり、「夜だからこその豊かな色彩」を感じさせる構図が本当におしゃれで、「絵でこんなに気持ちが動くのか」と自分でも驚いたほどでした。
  • 「一瞬しか観れない」状況だったとはいえ、その一瞬でも十分に心に焼き付きました。しかも20年ぶりの来日ということで、こうした機会を逃すのはもったいないと感じました。

この作品だけでもこの展覧会に行く価値があると思いますし、夜景と明かりのデザイン性が好きな方に特におすすめです。

当日撮影した一枚です。青と黄色のコントラストが本当におしゃれ。

5. ゴッホの生涯が時間軸で鑑賞できる仕組み:ゴッホへの理解が深まる

展覧会の構成にも触れておきます。私が特に評価したのが「時間軸でゴッホの生涯を辿れる」という点です。

  • 展示は、ゴッホのオランダ時代 → パリ時代 → アルル時代…という流れを章立てて示しており、各時代ごとに作風や色使い・筆遣いの変化が見て取れます。公式サイトで「Chapter 2 オランダ時代」「Chapter 4 パリ時代」「Chapter 5 アルル時代」といった分類が紹介されています。大ゴッホ展 公式サイト+1
  • そのため、ただ「名画を観る」だけでなく、「この絵はこの時代に描かれたものだ」「この時期はこういう背景だったのだ」という理解が自然に深まります。たとえば、暗く重い色調から鮮やかな色彩へ転じる変化、筆のタッチの大胆さ、テーマの変化などが見えて、「ゴッホの“歩み”を追っている」ような感覚がありました。
  • これにより、ゴッホの人生や作品世界に対して「遠く感じていた存在」が、一気に“身近な画家”として感じられるようになります。鑑賞後、自宅に帰ってからも「あの時代に描いた絵だから、こういう色なんだな」と思い出すことが多く、理解が深化したと実感しています。
  • また、同時代の印象派を併設展示していることで「ゴッホは単独ではなく時代の流れの中にいた」という視点が補強され、より立体的な鑑賞体験になっていました。

こうした構成があるため、「ただ作品を見るだけで終わる」展覧会ではなく、鑑賞後に振り返りたくなる、考えたくなる内容になっていたと思います。

当日撮影した「自画像」

6. お土産が可愛い。ただしお値段高め。

展覧会を訪れたらぜひ立ち寄りたいのがグッズコーナー。こちらも充実しており、鑑賞体験をお土産として持ち帰るのにぴったりです。

  • 公式発表によれば、お土産グッズとして「展覧会オリジナル缶/ぬいぐるみ/キーチェーン/ポーチ」などのラインアップがあり、特にミッフィーとのコラボグッズも展開されていました。Tokyo Art Beat
  • 私が気になったのは、「夜のカフェテラス」モチーフのアイテム。例えば、ミッフィーのぬいぐるみ「夜のカフェテラス」バージョンが6,380円(税込)という価格設定も紹介されています。Tokyo Art Beat
  • 「可愛い&記念になる」点では文句なしですが、やはり“高い”という印象はありました。鑑賞代+お土産代を考えると、予算には余裕を持っておいた方が安心です。
  • また、人気アイテムは展示終了直前に売り切れることもあり得るので、鑑賞後早めに立ち寄るのがおすすめです。

ということで、「可愛いお土産が揃っている」反面、「価格はそれなりに」という点も頭に入れておくべきだな、というのが私の率直な感想です。でも、ポストカードや小さな絵画を持ち帰ってお気に入りの絵を部屋に飾れば、この日の記憶がそっとよみがえります。


7. 近隣の旧居留地エリアは街並みもカフェもおしゃれ!寄り道して帰れる

最後に、展覧会の場所がとても恵まれている、という点も書いておきたいと思います。

  • 会場である神戸市立博物館の所在地は、兵庫県神戸市中央区京町24。アクセスもよく、地下鉄「旧居留地・大丸前」駅から徒歩6分、JR・阪急・阪神「三宮駅」からも徒歩10分程度です。
  • そして、博物館を出た後に立ち寄りたくなるエリアが「旧居留地」。ここは明治・大正期の洋風建築が残る街並みで、カフェやブックストア、おしゃれなショップが点在しています。私も鑑賞後、ふらりとこの界隈を散策しましたが、芸術鑑賞の余韻を残したまま“街歩き”気分に切り替えられて、とても良かったです。
  • 例えば、展覧会を堪能した後に、近くのカフェでコーヒーを飲みながら「さっき観たあの絵、あの時代だったなあ…」と余韻に浸るのもおすすめ。夜のライトアップされた街並みもまた、ゴッホの夜景のテーマとどこかリンクしていて、気分が上がります。
  • ですので、「展覧会だけ観て帰る」ではなく、「寄り道して帰る」というプランを入れておくと、より“神戸ならではの”充実した一日になります。

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8. 総まとめ:見る価値しかない「大ゴッホ展」&行く前のチェックリスト

以上を踏まて、この展覧会をどう評価するかというと、私は「見る価値しかない」と強く感じました。なぜなら、名画に直に接する機会、ゴッホの作品世界を時代とともに辿る構成、そして展示以外にも街歩きとお土産という“体験”が用意されているからです。ただし、混雑・待ち時間・予算という点では“覚悟”が必要です。以下、行く前のチェックリストを付けておきます。

✅ 行く前のチェックリスト

  1. 日時予約:特に土日・祝日訪問なら予約優先制。
  2. 開館直後・平日午前を狙う:混雑・待ち時間を軽減するため。
  3. 時間に余裕を持つ:展示観賞+お土産コーナー+旧居留地散策。
  4. 予算を確認:入場料+グッズ代+交通・カフェ代など。
  5. カフェテラス作品前の待機を想定:メイン作品付近では立ち止まり時間が限定されることも。
  6. 撮影禁止/展示ルールを確認:スマホ撮影不可の作品もありますし、動線に配慮して。
  7. 近隣の街並み・カフェ情報も頭に入れておく:鑑賞後の余韻タイムとしておすすめ。

おわりに

「阪神・淡路大震災30年 大ゴッホ展 夜のカフェテラス」は、まさに“体験型”と言ってもいい展覧会でした。混雑というハードルはありますが、それを超える価値が確実にあります。もし「本物のゴッホを観てみたい」「色彩・筆遣い・空気感を直に味わいたい」「神戸の街並みとアートを一緒に楽しみたい」という方がいらしたら、ぜひこの機会をお見逃しなく。
このレビューが役立てば嬉しいです。そして鑑賞後には、「観てよかった」と心から思える体験になっていることでしょう。

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この記事を書いた人

会社員をしています。
趣味は旅、カメラ、美術、心理学。認定心理士資格取得。休日や自宅でのリフレッシュ方法を提案します。

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